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内縁の配偶者(妻,夫)は財産分与請求権を有するか

2017年9月4日

配偶者(妻や夫)は相続人になりますがそれは法律上の妻(戸籍上の妻)に限られます。したがって内縁の配偶者は連れ合いが亡くなっても相続権を有しません。全財産は連れ合いの法律上の相続人(子供や親、戸籍上の妻)が相続します。

 これは争いようがないのですが,民法768条の離婚における財産分与の規定を,死亡による離別の場合にも類推適用すべきだと主張されることがありました。それに対して最高裁は明確に否定しました。

 平成12年3月10日最高裁決定

 民法は,法律上の夫婦の婚姻解消時における財産関係の清算及び婚姻解消後の扶養については,離婚による解消と当事者の一方の死亡による解消とを区別し,前者の場合には財産分与の方法を用意し,後者の場合には相続により財産を承継させることでこれを処理するものとしている。

 このことにかんがみると,内縁の夫婦について,離別による内縁関係解消の場合に民法の財産分与の規定を類推適用することは,準婚的法律関係の保護に適するものとしてその合理性を承認し得るものとしても,死亡による内縁関係解消のときに,相続の開始した遺産につき財産分与の法理による遺産清算の道を開くことは,相続による財産承継の構造の中に異質の契機を持ち込むもので,法の予定しないところである。

 また,死亡した内縁配偶者の扶養義務が遺産の負担となってその相続人に承継されると解する余地もない。したがって,生存内縁配偶者が死亡内縁配偶者の相続人に対して清算的要素及び扶養的要素を含む財産分与請求権を有するものと解することばできないといわざるを得ない。

 内縁配偶者を保護する方法

 このように最高裁は,連れ合いが死亡した場合に民法768条を準用ないし類推適用することを明確に否定しました。この最高裁決定を踏まえて,連れ合いが死亡した場合に内縁配偶者を保護する方法としては,遺言を残す。これがベストです。遺言がない場合は,死亡した者の名義の財産であっても,共同して財産を形成したとして共有持分を主張するなど,自己の財産であることを主張・立証することになるでしょう。

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