MENU

遺産(相続財産)に含まれる財産

2017年1月17日

遺産になるのは

 被相続人の財産に属した一切の権利義務が相続の対象になります(民法896条)。具体的には被相続人(亡くなった方)の不動産,預貯金,株式,投資信託などの有価証券,債権,著作権等のプラスの財産の他に,債務(借金など)の全てを相続することになります(包括承継)。

 生命保険金は遺産(相続財産)に含まれるか

 受取人が指定されている場合,生命保険金は遺産に含まれません。生命保険の受取人が特定の人と指定されている場合は,その人固有の財産となるので遺産分割協議の対象から外れます。 生命保険の受取人が,亡くなった方自身(被相続人)とされている場合は,保険金請求権がいったん被相続人に帰属し,それが相続されると考えられるので,遺産に含まれることになります。 死亡による退職金は遺産に含まれるか 通常,退職金は相続財産に含まれません。公務員が亡くなったときの退職金は,法律によって受け取る人や順位が定められています。企業の退職金も,内規や就業規則,退職金支払規程などの社内規則によって,受け取る人や順位が定められています。どちらの場合も,退職金は遺産ではないとされています。

 墓地は遺産に含まれるか(897条)

 墓地や位牌などは祭祀(さいし)財産と呼ばれ,金銭的な価値のある相続財産とは区別されています,相続財産には含まれません。 墓地や位牌などの祭祀財産は,相続人が引き継ぐとは限りません。

祭祀財産は民法897条により,まず,被相続人(亡くなられた方)が指定した人が引き継ぐとされています(墓地などの帰属は遺言状で指定されることがあります)。指定された方がない場合は,慣習にしたがって決めることになります。 墓地は都会では購入するのに多額のお金が必要なので経済的な価値を有する側面もありますが,田舎では引き継いで墓地の手入れをする人がいなくなり荒れてしまう危険もあります。墓地を承継したときに自分の子供の代が引き継いでくれるのか,それがかえって子供の負担にならないか,いろいろな問題を考えなくてはいけません。

 お香典は遺産に含まれるか

 お香典は遺産ではありません。お香典は,葬式費用の一部を多くの人で負担するという相互互助の精神に基づく金銭の「贈与」と考えられています。亡くなった人は既に権利・義務の主体・客体にならないので,亡くなった人に対する贈与とは法律的に考えにくいのです。

 お香典は,まず葬式費用に充当すべきでしょう。お香典の贈与を受ける人は,通常は葬式を執り行う「喪主」になることが多いです。お香典の処分は争いや不満の元になるものですから,お香典の金額,お香典を使ったときの領収書などは全て保存しておき,いつでも他の相続人に見せることができるようにしておきましょう。

  借金も相続するか

 はい。相続は「被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継する」(896条)ので,プラスの財産だけではなく,マイナスの財産,つまり,借金も相続してしまいます。借金ばかりを残されたときは,遺産に手を付けずに3カ月以内に家庭裁判所に相続放棄の手続をすれば借金を引き継がないことができます。

 住宅ローンを抱えた方が亡くなった場合

  住宅ローンは,債務者が亡くなった場合に備えた生命保険に加入することが条件となっていますので,通常,債務者が亡くなると住宅ローンの残りの債務は生命保険で支払われローンが無くなります。したがって,住む所は維持できるものです。住宅を購入したときの書類を確認してみましょう。そして住宅ローンの銀行に連絡します。

 遺産であるアパートの家賃は誰のもの

 遺産の中にアパートなどの賃貸中の不動産がある場合,遺産分割協議が決まるまでの間も家賃が発生してきます。この家賃は,遺産そのものとは区別され,家賃は各相続人が相続分に応じて分割して取得するというのが判例です。実際には,遺産分割協議の中で,それまでの家賃の帰属を決めることもよくあります。

トップページへ

アーカイブ

2017

最新記事

横浜の相続案件につよい弁護士 安田法律事務所

●JR関内駅徒歩5分
●20年以上の実績
●お気軽にお問合わせください

相続関係の最新情報

平成29年を振り返って

2017年を振り返ってみると,いくつもいい解決かできた年であったと思います。 双方の意見が違いすぎてとうてい成立が困難と思えた事件が2つ,途中から一気に話合いが進み合意,解決にいたることができました。相手の合意を得ることが不可欠な事件で,相手との

遺言者より先に遺言を受けるはずだった相続人が死亡した場合

遺言で子供の一人に遺産を残したのに,遺言者よりも先にその子供が死んでしまった場合,その遺言は無効になるのか?それとも,その子供のさらに子供が遺産を受けることができるのでしょうか?この問題については最高裁の判例があります。 最高裁平成23年2月22

公正証書遺言が錯誤により無効とされた例

さいたま地裁熊谷支部平成27年3月23日判決  遺言は公正証書で作っておいた方が形式的な間違いを防ぐことができるので,自筆証書遺言よりも安心ですが,公正証書で作成された遺言であっても無効になる場合があります。このケースでは錯誤無効であるとされまし

当事務所について

お問い合わせはこちら

営業時間
月~金曜 AM9:30~PM17:00
定休日 土日祝

アクセス

〒231-0011
横浜市中区太田町3-36
クリオ横浜関内壱番館204号 JR関内駅(北口)徒歩5分
横浜市営地下鉄関内駅 みなとみらい線 馬車道駅及び日本大通駅(県庁口)徒歩5分

>> 詳しい道程はこちら


© 2018 All rights reserved.