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遺留分とは

2017年1月9日

遺留分とは(民法1028条)

本来,被相続人は遺言によって,自分が死んだときに財産をどう処分するか決めることができます。しかし,相続制度は遺族の生活保障や潜在的持分の清算という機能を有しているので,その両者の調和を図ろうとするのが遺留分という制度です。

遺留分権者は,他の相続人に遺産を相続させるという遺言があっても,遺留分を行使すると一定割合の遺産だけは相続することができるようになります。

遺留分を行使できる権利者

遺留分が認められているのは兄弟姉妹を除く法定相続人です。つまり,配偶者,子供,直系尊属である相続人が遺留分権利者となります(1028条)。

遺留分の割合

遺留分の割合は 法定相続分の2分の1が遺留分割合とされています(1028条2号)。ただし, 直系尊属(両親など)のみが相続人である場合は,被相続人の財産の3分の1が遺留分の割合となりますので(1028条1号),配偶者や子供が相続人である場合が2分の1の割合となります。2分の1ということは,本来の相続分の2分の1だけは遺留分として相続することができるという意味です。

これを被相続人の立場から考えると,せっかく遺言を残して世話になった一部の相續人に遺産を残しても,一定の範囲でその遺言の効力が覆されてしまうということになります。自分が死んだ後の相続争いを無くそうと思って遺言したことが,新たな紛争の原因になってしまうということです。そこで,遺言を残すときに遺留分に相当するものは遺留分権者となる相続人に残すような内容の遺言にしておくことが紛争防止の一つの方法となります。

遺留分を行使できる期間

遺留分減殺は1年以内に行使する 遺留分を行使するには,遺留分減殺(いりゅうぶんげんさい)の意思表示をします。遺留分減殺の意思表示は,相続の開始及び減殺すべき贈与又は遺贈があったことを知ったときから1年間以内でないとできません。遺留分行使は亡くなってから1年以内と考えておいた方がいいでしょう。遺留分減殺の意思表示をしたかどうかも争いの元になりますから,遺留分減殺の意思表示を1年以内にしたことを証拠として残す必要があります。具体的には,遺留分減殺は内容証明郵便で行うべきです。遺留分で争いになる場合は,その後どうするかも含めてとてももめることが多いので,最初から弁護士に相談した方がいいでしょう。

遺留分減殺をした効果

被相続人が相続開始の時に有していた財産に,被相続人が贈与した財産の価額を加えて,そこから債務全額を控除し,遺留分減殺をして得ることになる相続額(遺留分)を算定します(1029条)。

遺留分減殺の対象になる贈与の範囲

贈与は相続開始前の一年間にしたものに限り,その価額を算入するのが原則です。ただし,当事者双方が遺留分権利者に損害を加えることを知って贈与をしたときは、一年より前にした贈与についても価額が算入されます(1030条)。遺留分減殺の対象となる贈与は,原則として1年以内ということです。

遺留分の放棄(1043条)

遺留分の放棄という制度があります。相続開始前(被相続人が亡くなる前)に遺留分を放棄するには,家庭裁判所の許可を受ける必要があります。被相続人から既に充分な贈与を受けていたとか,遺言で一定の物をもらうことになったなどの理由があるときに,被相続人らが働きかけて相続開始前の遺留分放棄がなされることが多いようです。つまり,遺留分放棄は,特定の推定相続人に多くの遺産を残して,その後の紛争を回避するために利用されるのです。

遺留分放棄を撤回できるか(1043条)

遺留分の放棄をするには家庭裁判所の許可が必要です。つまり,手続を慎重にして許可していいという裁判所の判断まであるわけです。したがっ,被相続人の生前に家庭裁判所の許可を受けて行った遺留分の放棄を撤回することはとても難しいことです。それを認めた家庭裁判所の先例があるので全く不可能ということではありませんが,相当の事情がないと困難です。手続的には,家庭裁判所が行った許可の審判の取消を家庭裁判所に請求することになります。

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