法定相続情報証明制度

法定相続情報証明制度ができました

これまでは,遺言がない場合に,不動産の相続登記や銀行預金の相続手続をしようとすると,そのたびに,被相続人(亡くなった方)の子供のときからの戸籍謄本等を用意しなければなりませんでした。
しかし,平成29年5月から,全国の法務局において,法定相続情報証明制度がスタートしたので,相続手続をする先がたくさんある場合,これを利用すればずっと簡単に相続手続ができることになりました。
法定相続情報証明制度とは,法定相続人を示した一覧図(申出人が作ります)を,法務局が5年間保管し,その間はこの一覧図の写しを交付してもらうことができ,それを相続手続に利用することができるという制度です。

必要書類

法定相続情報証明制度を利用するためには次の書類が必要です。
1 被相続人が出生したときから亡くなるまでの連続した戸籍謄本及び除斥謄本
これは相続人の範囲を確定するために必要なものです。この書類で被相続人が生まれてから亡くなるまでに他に子供を作っていたり養子縁組していないかどうかを確認します。
2 被相続人の住民票の除票(または戸籍の付票)
3 相続人全員の戸籍謄本(抄本)
4 相続人代表として手続を進める申出人の氏名・住所を確認することができる公的書類(運転免許証のコピー,マイナンバーカードのコピー,住民票の写しなど)
5 法定相続情報一覧図
被相続人と相続人の関係を全員記載した図面のことです。戸籍謄本から集めた情報を利用して親子や兄弟の関係が一目で分かるような図面を作らなくてはいけません。A4の紙を使用し,書き方は法務局のホームページに掲載されています。
法定相続情報一覧図には相続人の住所を記載することもできますが,その場合は各相続人の住所を示す住民票や印鑑証明書,戸籍の付票なども必要になってきます。
6 法定相続情報一覧図の保管及び交付の申出書
要するに申出の書類です。法務局のホームページに掲載されています。

法務局の管轄

法定相続情報証明制度を利用することができる法務局の管轄は次の4つです。この4つのうちの便利なところの法務局で手続をしてください。
1 被相続人の本籍地
2 被相続人の最後の住所地
3 申出人の住所地
4 被相続人名義の不動産の所在地

法務局での相談予約

上記した色々な書類を用意して法務局に行くことになりますが,窓口では書類のチェックができないので,できるだけ相談窓口を利用した方がいいでしょう。相談は予約制ですので,事前に法務局に電話して相談の予約をする必要があります。
法定相続情報証明制度は,何回も戸籍謄本を集めなければならなかったものを一度だけで簡便にすることを目的としてできました。相続手続が多数あるときは有効な方法だと思います。

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